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遊泳

猫、或いはサイエンス

この地下を抜けたら。

毎日通過するターミナル駅の階段脇に掲げられた看板。
何気なく見過ごしていたけれど、アルファベットの名前がつけられていることにふと気づきました。
事故や災害時の誘導に用いる、案内図と相関させるなどそれなりの理由はあるのだろうから当然ではあるのだけれど。

この世界の全ての物に名前がついている訳では勿論ないのだけれど、ふーん、こんなものにまで名前があるのかと、思わされました。

名前を手に入れると、それだけでとても身近な存在になるような感覚があります。
姿かたちで記憶するより、言葉で記憶するほうが脳の中で配置や分類しやすかったりするのでしょうか。

思春期の頃、廊下ですれ違うくらいしか接点がなかった相手の。
いつも通勤途中で見かけるだけの。
名前を知ることができただけで、心踊るあの気持ちを、ふと思い浮かべるのです。

ターミナル駅の地下ダンジョンはどの階段がどの光ある世界へつながっているのか、アルファベットだけではわからない。
案内図を手に入れなくちゃだ。