遊泳

猫、或いはサイエンス

過去と現在をつなぐ潮流

池上彰さんの『知らないと恥をかく世界の大問題7』を読んでいました。愛読しているシリーズです。
歴史と宗教、政治経済を絡め、世界情勢を横断的に分析してくれるので、「現在なにが起きているのか」をリアルタイムで把握できるこのシリーズはテレビを観ない私にとって非常に有難い存在です。

興味深いなと感じたのは、アメリカのジョージWブッシュ(息子の方)がイラクを攻撃し、イスラムスンニ派であるフセイン政権を崩壊させた際、イラクの国内の公務員であるスンニ派バース党員を追い出したという話題です。追い出されたバース党員たちは怒って兵器や弾薬を盗み、イスラム国へ流入、結果的にイスラム国は国家として機能できるだけの能力を獲得してしまったという流れがあるそう。
なるほどなあ。
他にもなぜフランス・パリの同時多発テロが起きたのか、サウジアラビアがなぜアメリカに反旗を翻してロシアと原子力平和利用に合意したのかなど、納得のいく説明がちらほら。
ただニュースを眺めているだけでは見えてこないような事情が可視化されるのは本当に面白いなと感じます。
人民元が2016年10月からSDR入りするのも知らなかったしな。

折しも先日ニー仏さんのツイキャスで「ミャンマーは現在強烈なインフレ中」という話題がでたのですが、中国に続いてベトナムカンボジアの人件費が上がりつつあり、諸外国が人件費削減を求めて「次はミャンマーバングラデシュだ」と考えているからという理由が考えられますね。
そんな理由から中国は経済成長率が著しく落ち込みつつあり、外貨獲得のためにアジアインフラ投資銀行を設立してみたり、南シナ海を埋め立てて領海を増やそうと試みたりと、必死な様子が窺えたりして。日本も翻弄されるのではないだろうか・・・

そして改めて感じたのは、今というものは歴史の潮流の上にあるのだなあということ。
今を知りたければ歴史を知ることが何よりも大切なのだと思い知らされます。

池上さんの本を読むと自分が一時的に物凄く賢くなったような気がしてしまいとても気持ちがよいのですが、これって文章を書く人にとって重要なポイントでもありますよね。
「読者を気持ちよくさせること」
その視点が私には欠けていたなあと気づかされました。
そんなこんなで色々と得ることが多いいちにちでした(実際は猫たちとお布団の上でごろごろしながら快適でした。しあわせ、しあわせ)。