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遊泳

猫、或いはサイエンス

明滅

照明をoffにした光学顕微鏡でフラスコに入った接着細胞を眺めると、夜空に星を散りばめたような景色が拡がることに気づきました。
時々わざと照明をつけ忘れて見とれてみたりしてる。
命が蠢くそのミクロな世界と、我々が現在認識できる最大の世界とに、まさか相似性を見られるとは。ロマンティックな気分になります。

酸っぱい葡萄という喩え話がありますが、人は自分の心を護るために感情を曲げることを厭わない一面があるのだな、と改めて思います。
手に入らないものの価値を貶め否定して溜飲を下げることに何の意味があるのか。それは自分自身の価値をも貶めることになるのではないか。
手に入ろうが入るまいが、そのものが本来もつ魅力や価値は、変わりはしない。
変わるのは、自分自身の心だということ。



こういう時、私は、相手の選択肢を奪うのではないかという点について危惧するのです。
判断を、考える機会を、私が絞りこむべきではないと。
自分が投げた言葉に対して責任をもちたい。
そしてそのことに対する反応は全般相手に委ねたい。
私が何かしらの結論を誘導する必要はない。
慎重に向き合っていきたいのです。自分自身の態度を含めて。



電車に揺られ、河にかかる陸橋が読みさしのページを明滅させる様を、暫し目を細めて眺めました。
朝陽の位置がまだ低いせいで手元に届く光の角度が広いのかもしれません。
もう少し時間が経てばルーペに光を集めるかのように、じりじりとこの身体を焼き尽くすことでしょう。
今はまだ、清涼な煌めきを残してる。

高揚と鎮静の平衡状態。

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