遊泳

猫、或いはサイエンス

機能的孤立的機能

ああ、それは非常に面白いなと思います。
「赤と青は限りなく近いけれど違う現象」ではありますが、ひとつの現象として同じものについて違う感覚機関を通してみればまるで違うものがそこに在る「ように見える」ことについても同様の感想を抱きます。
それは人と虫の違いといったような「個体としての差」がこれまで認識されてきた仕様ですが、実は自分という個々の中にも複数の視点があるということに思い至りました。なるほど。
例えば球を認識するとき、形状、素材、大きさ、色といった様々な観点があり、どの切り口に焦点を当てるかにより全く違う感想が浮かぶことのように。その感想はひとつひとつを感じる経路が違うからこそ、起こりうる現象なのかもしれない。
感覚についてのみ抽出して言及すると、機能的な面に於いてひとは他者とは相容れない絶対的孤立の中にあるように思えます。其々がそれぞれ、違う感覚機関を内包しているがゆえに。
それと同時にひとつの個体の中にもまた幾つもの分断された機能的孤立があり、それは際限なく細分化することができる。しかし細分化しようとしなければ対象物は「同じもののように見える」
無数の分断された機能的孤立たちを統合し、対象物を同じもののように見せかけるシステムの不思議さ深淵さに驚きました。
ひとまず初読の感想まで。